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エンディングノートを始めたきっかけ

ノートとペンとPC類

「エンディングノート」と聞くと、なんだか気が進まない、まだ早いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私自身が50代になり、夫が定年を迎える時期が近づいたとき、このノートを書き始めたことで、人生に対する考え方が大きく変わったんですよ。

エンディングノートは、決して「終活=死の準備」だけを意味するものではありません。
むしろ、「残りの人生を自分らしく生ききるための設計図」だと私は考えています。

これをきっかけに、家族と将来について深く話し合えるようになり、漠然とした不安が解消されました。

ここでは、私がエンディングノートを始めたきっかけや、定年後の人生設計として活用するメリット、そして家族が前向きに話し合いを始めるための優しいコツを解説します。

あなたも、人生の後半戦をさらに充実させるために、一歩踏み出してみませんか。

私がエンディングノートを始めた理由と家族の反応

エンディングノートを始める時期は人それぞれですが、多くの方が「人生の節目」をきっかけに動き出すようです。

定年退職と「もしも」の不安がきっかけです

私の場合、夫の定年退職が近づき、子どもたちも独立したことが大きなきっかけでした。
仕事という役割が終わった後、これから夫婦二人でどんな暮らしをしていくのか、健康面はどうなるのか、漠然とした不安が頭をよぎり始めたのです。

特に、「もし私たち夫婦のどちらかが突然倒れて、意思を伝えられなくなったら、子どもたちはどう対応すればいいのだろう」という不安が大きかったですね。

銀行口座や保険の情報、延命治療に対する考え方など、「自分たちが元気なうちに整理しておかなければ、残された家族が困る」と強く感じたのが、ノートを手に取った一番の理由です。

家族との会話の「切り口」になってくれました

子どもたちに終活の話を切り出すのは、勇気がいるものですよね。「縁起でもない」と避けられてしまうのではないかと心配しました。
でも、エンディングノートは、そんな重い話題を切り出す優しいツールになってくれたのです。

私がまず「これは人生後半のやりたいことリストも兼ねているのよ」とポジティブな面を伝えて書き始めると、夫も興味を持ってくれました。

「この保険は解約した方がいいかな?」「私の葬儀はシンプルでいいからね」といった、具体的なテーマから自然と会話が始まるようになり、深刻にならずに将来の意思を共有できるようになったのです。

エンディングノートを活用した意思の整理方法

エンディングノートの魅力は、法的効力がないからこそ、自由に自分の気持ちや希望を書き記せる点にあります。項目をすべて埋めなくても大丈夫ですよ。

まずは「自分史」から書いてみる

いきなり医療や財産のページから書き始めると、手が止まってしまうかもしれません。
そんなときは、「自分のこと(自分史)」のページから始めるのがおすすめです。

どこで生まれ、どんな仕事をして、どんな趣味があり、どんな友人との出会いを大切にしてきたか。
これまでの人生を振り返る作業は、自分の価値観を再確認する良い機会になります。

そして、書き進めていくうちに、「これからの人生で何をやりたいか」「どんな目標を達成したいか」といった、未来の計画まで見えてくるはずですよ。
この振り返りのプロセスこそが、エンディングノートの大きな効果の一つだと私は思っています。

家族が本当に「困る情報」から整理する

意思の整理を進める上で、特に力を入れたいのは、「もしものとき、家族が探す・判断に困る情報」です。
具体的には、以下のような情報を整理し、ノートに記載します。

銀行口座や保険・年金情報

家族が最も困るのが、「どこにどんな財産があるか」が分からないことです。
銀行名、支店名、口座の種類、保険会社名と証券番号、年金証書の情報などをまとめておきましょう。

ただし、暗証番号は書かないのが鉄則です。暗証番号は別の場所に保管し、ノートにはその保管場所だけを書いておくと安心です。

介護や延命治療に関する意思

自分の言葉で意思を伝えられなくなったとき、家族に最も重い判断を迫るのが、終末期の医療や介護の希望です。

「延命治療はどこまで希望するか」「介護が必要になったらどこで暮らしたいか」といった考えを具体的に書き残しておきましょう。
これらの希望は、元気なうちに家族全員と一度は口頭で共有しておくことが大切です。

パスワードなどのデジタル情報

現代では、パソコンやスマートフォンのパスワード、SNS、ネット銀行、サブスクリプションサービスなど、デジタルな情報も非常に多いですよね。
これらの情報が分からなければ、契約の解除や遺品整理に手間がかかってしまいます。

デジタル遺品に関わるIDやパスワード、解約の希望などをリスト化しておくことで、家族の負担を大きく減らせますよ。

エンディングノートは、人生の最終章を自分らしくプロデュースするための素敵なツールです。

まだ元気だからこそ、焦らず、楽しみながら、自分の「思い」を整理して、大切な家族との絆を深めていってくださいね。私も、定期的に見直しを続けますよ。